クリミナルマインドの格言を心理学で解剖してみた

クリミナルマインドを3周した私が、ずっと気になっていたことがある。

なぜこのドラマの格言は、こんなにも刺さるのか。

ニーチェ、ユング、アインシュタイン——毎話冒頭と結末に流れる言葉たちが、事件の内容よりも長く頭に残り続ける。それって、ただの演出じゃないんじゃないかと思って、心理学の視点から掘り下げてみました。

【格言①】深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いている——ニーチェ

このドラマで最も繰り返し引用される格言。

心理学的には「二次的トラウマ」と呼ばれる現象を指している。犯人の思考を深くトレースするプロファイラーは、その過程で自分の精神的な境界線が曖昧になっていく。

BAUのメンバーたちが、シーズンを重ねるごとに少しずつ変わっていく理由がここにあります。

私がアンダーグラウンドな世界を覗いていた頃も、気づかないうちに向こうから値踏みされていた。「覗いているのは自分だ」と思っていたのに、実際には「覗かれていたのは自分だった」という経験が、この格言をリアルに感じさせます。
【格言②】拷問者となるのは、かつて拷問された者たちである——ユング

クリミナルマインドに登場する犯人の多くは、幼少期に深刻なトラウマや虐待を経験しています。

心理学では「攻撃者との同一化」と呼ばれる防衛機制です。無力だった自分の屈辱を、他者を支配することで克服しようとする。

悪を単純に「悪い人」と断じることへの警告でもあります。

毒親育ちの私には、この格言が他人事に聞こえない。加害者の背景を知ることは、免罪符を渡すことじゃない。でも「なぜそうなったか」を理解することは、自分自身の傷を見つめることとつながっている気がします。
【格言③】想像力は知識よりも重要だ——アインシュタイン

プロファイリングは科学です。でもデータや統計だけでは犯人の「署名」は読めない。

愛、怒り、恐怖——そういう感情の痕跡は、証拠として収集できない。だからこそ想像力が必要になる。

自己理解ワークも同じだと思っています。データや理論だけでは自分の心は読めない。「私はなぜこう感じるのか」を想像する力が、自分という謎を解くカギになる。
【格言④】言葉は思考を隠すために用いられる——ヴォルテール

人は言葉で本音を伝えるより、言葉で本音を隠すことの方が多い。

BAUのプロファイラーたちが犯人の「言葉」より「行動」を重視するのはそのためです。

日常でも同じことは起きています。「大丈夫」と言いながら大丈夫じゃない人を、あなたは何人知っていますか。
【格言⑤】自分自身に対しても仮面を被ることになる——ラ・ロシュフコー

他人に見せる顔と、本当の自分の間に、いつの間にか溝ができる。

職場やSNSで理想の自分を演じ続けるうちに、本来の欲求や感情を見失う。

バンドマン時代の私も、ステージの上の自分と日常の自分の乖離に気づかないふりをしていた時期がありました。仮面は最初は道具だけど、いつの間にか皮膚になる。
【まとめ】
クリミナルマインドの格言が刺さりすぎる理由、わかった気がします。

事件の解決策じゃなくて、「人間ってこういうもんだよね」という普遍的な真実を、毎話丁寧に差し込んでくるから。

3周しても飽きないのは、見るたびに自分が変わっていて、格言の刺さり方も変わるからかもしれません。

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